変わる大学入試!

第2回センター試験を廃止し、新しい二つの試験を導入

現行のセンター入試を廃止して、2020年度から実施予定の新・大学入試制度。暗記中心で純粋な知識量を問う「インプット→アウトプット」のモデルから、知識量だけでなくそれを活用する「インプット→アウトカム」重視のモデルに激変すると言われています。そこで今回は、具体的にどのような試験が行われるのかを見てみましょう。

センター試験との違い 〜四つの大きな変更点〜

まず、新しい試験は2種類創設されます。一つは『大学入学希望者学力評価テスト』、もう一つが『高等学校基礎学力テスト』(いずれも仮称)です。このうち、現在のセンター試験に該当するのが『大学入学希望者学力評価テスト』。センターとの違いとして、大きな特徴が四つあります。

まず、複数回行われること。センター試験は一発勝負の世界ですから、当日の体調不良や些細なミスなど、運の要素も多分に影響するもの。そこで高3の11月と2月の2回試験を行い、成績の良いほうを採用する仕組みとしました。

次に、1点刻みの評価をやめ、レベル別で評価すること。例えば、100点満点で91〜100点はA判定、81〜90点はB判定といった区分です。「90点と89点では大差がないのに、そこで合否が別れる場合があるのはどうなのか」という考えからです。

これらの不均衡は以前から指摘されており、「もう一度試験をやれば、合格者の半数が入れ替わる」などと揶揄する声もありました。運やわずかな点数の違いで優秀な学生を逃してしまうのは大学にとっても損失ですから、その点が見直されたのです。

三つ目が、英語試験の広範化。従来の「聞く・書く」力に「読む・話す」力を加えた4技能審査に広がるのですが、これについては次回以降、もう少し詳しく解説いたします。

教科を横断しながら活用力を問い、人物像も評価対象となる

最後に、冒頭でも指摘した「知識の活用力」を問う試験になること。教科の枠組みを超えて問題を解く「合教科・科目型」試験と、その応用力を見る「総合型」の試験が実施される予定です。

「合教科・科目型」とは、例えば『地理の問題において数学Tレベルのデータ分析力を必要とする問題』、「総合型」とは『環境問題や食の問題など現実社会における複雑な構造をもった課題に対して、合理的・批判的に思考する』(いずれも文科省HPより)ような問題のことを指します。これに伴い、解答手段もマークシート+記述式が組み込まれる予定です。従来の知識量を問うタイプの試験は「教科型」と呼ばれ、新試験導入当初はこちらも併用しますが、将来的には「合教科・科目型」「総合型」のみとなります。

また、現在の二次試験に該当する試験も、小論文やグループ討論、面接などを課して人物評価なども取り込み、『人が人を選ぶ』スタイルに変わります。掲げるアドミッションポリシー(求める学生像)に受験生が合致するか見極めるため、各大学が独自色を前面に出した試験を導入してくるでしょう。これらを通じて、従来の暗記重視型試験では測定しにくかった、思考力・判断力・表現力を多面的に見ようというのです。

要注意!基礎学力不問という意味ではない

しかし、知識を活用するには、そもそも知識を持っていないと意味がありません。つまり従来型の基礎学力のことで、これを測定するのがもう一方の『高等学校基礎学力テスト』です。

これまで高校生の基礎学力は、各高校が内申点で評価していました。しかし今後は、同試験も導入して統一基準とし、客観的なスコアとします。主たる目的は、高校生が自らの学習到達度を自覚し、より学習意欲を喚起すること。教科は英・数・国、参加は任意で大学非受験生も受けることができ、2019年度から高2・高3次に2回ずつ計4回行う予定です。

そう考えると「模試のようなもので大学受験と関係ないのでは?」と思ってしまいそうですが、そうではありません。2023年度からは、同試験のスコアも合否の参考に組み込む予定ですし、2022年度以前もあくまで「原則として(入試の参考には)用いない」(文科省)という曖昧な表現となっており、予断を許しません。

最終的なイメージとしては、『高等学校基礎学力テスト』で基礎学力を確認し、『大学入学希望者学力評価テスト』でその応用力を問い、二次試験で人物評価を行う、そんな三段構えのモデルを目指していると言えそうです。

※当コラム記載の日付・数値等はすべて計画段階のものであり(2015年11月19日現在)、変更される場合もあります