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小学校の英語が教科化! 英語学習の低年齢化で何が変わる!?

2020年度施行の新学習指導要領において、ついに始まる小学校での英語教育改革。具体的には、小学3年生から英語学習に触れはじめ、小学5年生からは正式な「教科」として運用される予定です。なぜそうするのか、何がどう変わるのか。親として知っておきたいこと、準備したいことについて考えてみましょう。

 
グローバル化の波の中、
待ったなしの英語教育導

そもそも、なぜ小学校での英語教育が必要になったのでしょうか。それは一にも二にも、社会のグローバル化が大きな要因と言えます。インバウンド戦略、東京五輪、企業の海外進出……もはや、海外の人々とともに活動したり働いたりすることは、まったく珍しくない世の中になりました。しかし、日本人の英語力の低さはご存知のとおり。英語を母国語としない各国の英語能力を測る『EF EPI英語能力指数(2018年版)』によると、日本のそれは88の国と地域中49位(表1)と、惨憺たるありさまです。それはグローバル経済における競争力にも大きく影響しており、国としても相当な危機感を抱いていました。

(表1)EF EPI英語能力指数(2018年版)


 
正式な「教科」として、
成績評価されるように
 
「小学校英語は、もう実践されているのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。たしかに小学校英語は、2011年度にはすでに必修化されていました。しかし、今回の改革でキーワードになるのは「教科化」です。

実は、現在の小学校5・6年生を対象に行っている英語は、教科ではなく『外国語活動』と呼ばれる体験学習の位置付けでした。ややレクリエーション的な要素もあり、目標はあくまで外国語に慣れることや、話してみたいという気持ちを養うことだったのです。しかし教科化に伴って名称は『外国語』に変更、目標は「能力・技能」の育成に移り、他教科と同じく成績もつけられます。これを受けて、現在の『外国語活動』は前倒しされ、小学3年生からスタートする計画です。

「ここまで前倒しして、中学校からはどうなるの?」という点も気になるでしょう。これについては、オールイングリッシュが想定されています。基本的な単語力などは小学校までに身に着けておき(小学校卒業時に600~700語程度を想定)、中学校からは英語でスピーチしたり、討論したりといった対話型の授業が展開される予定です。




 
2018年度から移行準備、
すでに先行実施した学校も

教科としての『外国語』(英語)の授業時間数は、週2コマ(年70コマ)。現在の『外国語活動』の週1コマ(年35コマ)が小3からに前倒しされる分を加えて、小学校トータルでの英語学習時間は210コマという計算です。現状に比べ、約3倍に増えることになります(表2)。  



ただ、2020年度からすべてを急に切り替えるのは大変です。そこで移行措置として、2018年度からこれに近いカリキュラムの運用が開始されています。かねてから英語教育に力を入れてきた東京都の一部地域では、先行してすでに完全実施している学校も。このあたりは各地域や学校によって対応が分かれていますので、詳細はお子さんが通う学校に問い合わせてみることをおすすめします。

なお、『外国語』の授業コマ数が増えても、他教科の授業数は削減されません。純粋に小学校全体の学習時間が増えるという意味であり、勉強そのものに向かう姿勢や慣れを育てておくことも大事になってくるでしょう。


 
まずは聞く・話すに
多く触れさせることから

これらの改革をふまえた事前対策として、英語教育専門家らの多くが重要だと指摘するのが、4技能のうちの「聞く力」。次いで「話す力」。特に幼少期は頭が柔らかく、これらの力の吸収力が高いとされるためです。また、「Hello!」というたった一言の往復でも、純粋に英語による意思疎通の楽しさに触れることができ、抵抗感・苦手意識も下がります。キッズ英会話に通うのももちろん効果的ですが、日常の家族のお出かけにおいて、英語や外国人に接することができる場へ連れて行くのも一つの手でしょう。




かつて、パソコン等のデジタル機器が使える人と、そうでない人の間に収入などの社会的格差を生んだ「デジタルディバイド」という言葉が話題になりましたが、次に訪れるのが「イングリッシュディバイド」だと言われます。グローバル社会、そして英語の教科化に向けて、早い時期から英語に触れる環境をお子さんに作ってあげることが、親として大切になってくるのではないでしょうか。
 
  • 2018年度 入試合格速報